2023年9月15日

■「第1回JABNE研修交流集会」参加者からのQ&A

2023年8月22日(火)開催いたしました「第1回JABNE研修交流集会」にて、当日参加者の皆様からお寄せいただきました質問について、第1部特別講演にご登壇いただいた、立命館大学教育開発推進機構の沖裕貴先生にご回答いただきました。第2部の質問は事務局が回答しております。Q&A形式で共有いたしますので、ご参照ください。

第1部 特別講演「教学マネジメント:基礎と応用」 Q&A

Q.「カリキュラム・マップから見えるカリキュラムの問題点」のスライド(沖先生配布資料に記載)にある、「到達目標の書き方が不十分のため、すべてのDPにマッピングされてしまう」ということが本学の問題です。どのように修正をしていくことが出来るか教えて頂きたいです。

A.ご質問ありがとうございます。多くの大学で共通に見られる課題です。
一番多くある原因は、到達目標が成績評価に対応していないことです(成績評価しない到達目標が多くある)。到達目標ごとに何を用いて、どの程度の比率で成績評価するかを、シラバスに明記するようにすると、先生方にも、到達目標はすべて成績評価に絡めなければならないことが理解していただけると思います。また、自ずと多すぎる到達目標が精選されます。

また、到達目標の書き方が不十分で、学習成果をパフォーマンスの形で表現できていない場合も、どのDPの項目に対応するか、本人でも分からなくなることが起こります。これにはシラバス執筆要領等に、丁寧な事例を載せてあげることが有効です。

到達目標とはあくまでも15週ののちに学生ができるようになってもらいたい学習成果(その成果を適切にパフォーマンスで表現したもの)が書いてあるものであり、学習者も評価者も容易に達成度が理解できると同時に、それができていることが確認されれば、成績に算入されるものであると言うことです。

Q.DP(ディプロマ・ポリシー)について、看護は思考と実践が共有していますので、一文に、理解し、最善策を考えて実践することができるなどと複雑になっている文章が多いように思います。「学生が読んで分かりやすい文章を」と考え、できるだけ簡潔にと思っているのですが、表現はどちらでもよく、挙げたい内容が挙がっているかというところを、漏れがないようにしたらよいのでしょうか。

A.ご質問ありがとうございます。日本の大学のDPはいずこも長く、修飾語が多いのが特徴です。ただ、到達目標と異なり、一文1パフォーマンスにすべしという基準はありませんので、すでに定着しているDPなら、それで仕方ないかと思います。また、コア・カリキュラムがあれば、どうしても一文が長くなる傾向もありますので、やむを得ないことだと思います。

ただ、評価を行う際には、各DPの項目に対して、何を用いて、どの程度できたならば達成したと見なすかというアセスメント・プランが必要になります。場合によってはDPの一文を複数の指標に分解し、それぞれに対して何をもって評価するか、どの程度になれば良いかを議論して決めていくという作業が必要になると思います。

講演で言ったように、カリキュラム・ルーブリックを作成し、重要科目の採点用ルーブリックで評価するのも良し、学生調査で聞くのも良しです。長いDPの文章を分かりやすく分割して、それぞれの達成度を異なる手段で調べるのもいいやり方になります。

Q.とても分かりやすく説明していただきました。ただ、コース・科目ルーブリックとカリキュラム・ルーブリックの関係性、違いがまだ理解できませんでした。コース・科目の評価とカリキュラムの評価の基となる情報はいずれも採点用ルーブリックによる学生のパフォーマンス情報と考えてよいのでしょうか。

A.ご質問ありがとうございました。コース・ルーブリックは「科目」のグレーディングのための参考資料です。複数人で同じ名前の科目を担当する際に、どのように成績(A、B、C等)を付けるのかを担当者で話し合い、担当者によって大きな差が出ないように調整するものがコース・ルーブリックです。科目の質保証のために、学科会議でそれを承認する大学も見られます。基本的には、これを用いて何かを採点したり、比較したりするものではなく、科目担当者間の合意を得、学科の了承を求めることが目的になります。

一方、カリキュラム・ルーブリックは学科のDPの各項目を学年進行ごとに示したもので、できるだけ複数のDPの項目に対応する、各学年の重要科目を(1~2科目)設定して、その科目を精緻な採点用ルーブリックで評価し、ポートフォリオに蓄積しながら、最終学年の採点用ルーブリックもしくは各学年のルーブリックの平均点などでDP(もしくはその複数の項目)の達成度を判定するものです。また、採点用ルーブリックではなく、カリキュラム・ルーブリックに示される各学年のDPの項目に対応した、学生調査が用いられることもあります。

いずれにしても、DPは最終学年の学習成果ですから、途中の学年でのDP(最終年度のDPをブレイクダウンしたもの)も採点用ルーブリックや学生調査で点検し、評価しようというものです。

第2部 パネルディスカッション「受審準備と受審により生じた学内外の変化」 Q&A

Q. 次年度受審予定ですが、新カリキュラムと旧カリキュラムの2パターンの資料を準備する必要はありますか。

A.(事務局回答)ご質問ありがとうございます。現在3・4年生は旧カリキュラム、1・2年生は新カリキュラムの2つのカリキュラムを運用している場合、大幅な変更を伴わないなら、新カリキュラムを中心に自己点検・評価を行い、根拠資料も新カリキュラムのものの提出で構いません。ただし、新旧のカリキュラム一覧表は資料として不可欠となるため、必ず提示してください。また、自己点検・評価をするにあたり、旧カリキュラムの資料を提示した方がわかりやすい場合は、旧カリキュラムの資料を提示してください。
条件が異なる場合は、事務局までメールにてお問合せください。

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