2023年9月21日
2023年9月19日(火)にWEB会議システム(Zoom)を利用し、「2023年度評価員基礎研修」を開催しました。この研修は、看護学分野別評価の意義や仕組み、評価基準等の基礎的事項に関する理解を深めていただくことをねらいとしており、会員校の推薦により、初めて評価員として登録された教員を対象としています。今回は62名にご参加いただきました。
今年度の研修は、事前の「オンデマンド研修」と、9月19日にWebで行う「全体研修」の2本立てで行いました。
8月10日(金)~9月19日(火)の期間、3本の研修用動画を事前視聴していただくオンデマンド研修を実施しました。研修参加者の皆様には「看護学教育評価ハンドブック」を参照していただき、評価や評価基準の概要や全体研修におけるグループワークについての動画を視聴のうえ、生じた疑問点等を『評価員基礎研修事前質問受付』に投稿していただきました。
全体研修は、工藤美子評価員研修委員会副委員長が司会進行を務めました。第1部「質問への回答」として、事前に寄せられた質問事項に対し、井上智子評価委員会委員長が回答しました。
工藤美子評価員研修委員会副委員長による司会進行 井上智子評価委員会委員長による回答
第2部「グループワーク」では、14グループに分かれてワークショップ形式で行いました。まず、研修参加者は先のオンデマンド研修を経て、全体研修当日までに評価項目に沿った自大学の根拠資料を集めて自己点検・評価を行います。根拠資料はグループメンバー間で事前共有していただきました。グループワークでは、各グループで集められた資料を基に評価シミュレーションを行っていただくことで、評価員としての役割に対する理解を深めました。
うち6グループの代表に、グループワークの成果や感想、グループで挙がった疑問点を述べていただき、井上評価委員会委員長と、評価基準に関する質問には秋元典子評価基準検討委員会委員長が回答しました。
最後に高田早苗代表理事からは、「グループワークの中で、「どのレベルであればA評価に値するのか?」という議論があったが、普通のレベルがA評価にはなるのではなく、基準を満たしており、さらにプラスするものがある場合をいう。例えば「地域に関連している」「実習教育において病院との連携が緊密である」など、各大学の特色ともいうべき取り組みを明確にしてほしい。日頃から看護学教育の特色が表現できているかを点検することが必要であり、大切にしているものに目を向けていただきたい。」というコメントがありました。
基礎研修終了後に、参加者の皆様からお寄せいただいたアンケートでは、以下のような感想をいただきました。
【参加者の声】※アンケートから一部抜粋
■改めてどのような学生を育てたいかを分かりやすく示すことが大事であり、地域性を活かした教育を考えること、学生が何を学ぶことができたかを学生目線で評価することが必要であると分かりました。それをどのように実践していくかが課題です。
■グループワークで他校の状況を知ることができ、参考になりました。準備をしているときは受審する側としての認識になってしまっていましたが、評価員としてどのように対応するか、考える機会を与えていただきました。
■自校の課題が他校と共通していたり、他校の良い点も知ったりと、評価員となることは自校の改善にもつながると感じました。時間はかかるとは思いますが、結果的に看護学教育全体の底上げにつながると思います。評価員としての自分の成長が不可欠だと認識しました。
■グループワークで諸先生方との対話を通して、例えば何をもって「適切」と判断するかを再考し、自校の教育改善・向上のための示唆を与えていただく機会になりました。受審したときとは異なる時期や視点からのピアレビューを体験し、絶え間なく評価し続けることの必要性を再認識できました。学士課程における看護学の質向上、ひいては社会に貢献・奉仕できる学問としての発展を、皆様方と一緒であれば尽力できるという勇気を与えていただくと同時に、その責任を改めて認識する機会をいただきました。
評価員基礎研修はJABNEの評価員としてのスタートであり、看護学教育全体の質向上につながる第一歩となります。ピアレビューの観点から、評価員の立場、受審校の立場と、様々な視点に立って評価を進めていただきたく、今後もお力添えくださいますようお願いいたします。