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2024年9月9日

第2回JABNE研修交流集会を開催しました!

2024年8月22日(木)に、Zoomウェビナーを利用し、「第2回JABNE研修交流集会」を開催しました。会員校の教職員および本機構の登録評価員、そして各大学において視聴された方々も含めると総計約750名と、昨年度以上の参加者数となりました。司会はJABNEの茂野香おる理事が務めました。

始めに菱沼典子代表理事より、参加の御礼を申し上げるとともに、JABNE研修交流集会は会員校が「看護学教育の質向上のために、何を重視していくと良いのか?」という共通認識をするために開催しているということ、第1回に引き続き、今回も教学マネジメントをテーマとしており、これまで受審された大学が受審結果をどのように教学マネジメントに関連させているか、また各大学においてIRに取り組む必要がある中、活用する難しさがある現状から、基本的なところを特別講演でご教示いただけるため、この機会を十分に参考にしていただきたい旨の開会挨拶がありました。

JABNE菱沼典子代表理事の開会挨拶


 
第1部はIR(Institutional Reserch)に携わる職員として大学で活躍されている、立命館大学教学部教学推進課教学マネジメントグループの田中貴久さんをお招きし、「IRを活用した教学マネジメント」というテーマで、約60分ご講演いただきました。教学マネジメントにおけるIRの位置づけを理解し、それぞれの大学でどのように反映させていくのか、その糸口を見つけることを本講演での到達目標としました。

冒頭、参加者は各自スマートフォンでQRコードをスキャンし、「自大学におけるIRを活用した教学マネジメント課題を1つ抽出する」というアンケートに回答しました。Wordcloudを利用し、参加者の回答状況をリアルタイムに視覚化していくと、「データ」「可視化」「体制」など、各大学が抱えている課題が浮き彫りになりました。

Wordcloudで参加者が課題に感じていることのキーワードが視覚化される


 
IRを進める上でのポイント、ツールの活用事例などもお話しいただきました。IRや教学マネジメントは「まねジメント」ではなく、自大学に合った取り組みが必要であると、田中さんからご教示いただきました。社会の変化に対応し、恒常的に課題を抽出し、教職間でリレーションを築きながら改善、改革に取り組んでいくことが求められます。

第1部特別講演 講師の田中貴久さんと司会のJABNE茂野香おる理事


 
第2部では、パネルディスカッション「受審後の教学マネジメントに関わる各大学の取り組み」をテーマに、森ノ宮医療大学看護学部(2021年度受審)の内田宏美学部長、千里金蘭大学看護学部(2022年度受審)の藤田倶子学部長、岐阜大学医学部看護学科(2022年度受審)の井關敦子学科長にご発表いただきました。受審を振り返り、受審に至るまでの苦労、学内の体制、受審結果から明確になった課題とその対応など、ありのままをお話しいただきました。

それぞれの発表後、指定討論者として目白大学看護学部の糸井志津乃学部長、武庫川女子大学看護学部看護学科の布谷麻耶教授が登壇し、DP(ディプロマ・ポリシー)に関連し、自己点検・評価を進めるにあたっての委員会体制や受審後の動き、教学マネジメントに関連して蓄積されたデータの管理方法、抽象度が高いDPについて、学生に自己評価を求めるときの対応についての質問がありました。
参加者からも、「自己点検・評価に関わる資料の最終確認にどのくらいの時間を要したか?」という質問があり、パネリストがそれぞれ回答しました。

(向かって左上から時計回りに)茂野香おる理事、内田宏美教授、井關敦子教授、藤田倶子教授


 
最後に及川郁子常任理事より、特別講演ではIRの位置づけや取り組みのポイントや具体例を解説していただき、パネルディスカッションにおける発表からは、大変さがありながらも受審の意義の大きさを感じ、改めてご登壇いただいた先生方に御礼申し上げるとともに、参加者の皆様にはさらなる教学マネジメントの推進、今後の受審に繋げていただくことを期待する旨挨拶があり、閉会となりました。

JABNE及川郁子常任理事の閉会挨拶


 
※第1部のアンケート結果および第2部の時間内に回答できなかったQ&Aは、当日の参加者様のメールアドレス宛に、9月4日に配信しております。
 

【参加者の声】※アンケートから一部抜粋

■教学マネジメントについての講義から、大学運営は教職協働がかかせないとあらためて実感し、それがうまく機能する組織づくりの重要性を強く認識しました。

■教学マネジメントの組織・体制は大学によってかなり異なっていることを認識しました。自大学の教学マネジメント部門との具体的な連携のために、研修会・講演会等を企画して理解を深めることが必要だと強く認識しました。

■受審前の準備のこともイメージがつきました。また単発で実施した調査で満足していたものも、継続して調査をすることで意味のある特徴を捉えることができる等、調査の仕方、データの蓄積の仕方についても考えることができた研修でした。

■自己点検・評価を行っていると、教員間の温度差を感じているところでした。ただ、受審後の各大学の変化をお聞きすると、確実に「改善」に向かっていることがわかり、大変勇気づけられました。

■受審することによって、自大学の教育を改めて検討する機会になること、様々な評価指標も、しっかり吟味検討する必要性も再認識しました。こういったプロセスが、教育の質の向上にもつながるものと思います。

■パネリストの先生方の赤裸々なご苦労された現状と受審後の改善プロセスの内容は、とても感銘を受け、非常に参考になりました。どこの大学もご苦労されている点については、ある意味勇気をいただき、また、どのように教育の維持向上を図っていけばよいのか、といった点についても、理解いたしました。若手を育成していかなければならないといった責任も感じました。有意義な研修でした。
 

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